2009年11月07日

観能録INDEX (随時更新)


2006/7/15からこれまでに、56番観能しました。



あ行
 『阿漕』 2006/9/2
 『海士』 2006/7/22 2009/9/12
 『生國魂』 2006/8/12
 『一角仙人』 2006/7/29 2007/5/13(春)
 『井筒 2006/8/1(半能) 2006/8/25
 『鵜飼』 2006/7/30 2006/8/25
 『歌占』 2006/8/26 2006/9/9 2008/9/20
 『翁』 2006/8/11
 『女郎花』 2006/8/27
か行
 『杜若 2006/7/15
 『花月』 2007/5/12
 『加茂』 2006/9/2(剛)
 『邯鄲』 2006/9/3
さ行
 『石橋』 2006/8/11(半能)
 『俊寛』 2006/9/3
 『隅田川』 2006/9/3
 『西王母』 2006/8/20
 『善界』 2006/7/15 2006/9/16
 『殺生石』 2006/8/16(剛)
た行
 『田村』 2006/7/30 2006/8/12(喜)
 『土蜘蛛』 2006/7/29 2006/8/12
 『巴』 2006/7/29(半能)
な行
 『錦木』 2006/8/25
 『野守』 2006/8/20
は行
 『羽衣』 2006/7/30 2006/8/11(宝)
 『半蔀』 2006/8/20 2006/9/23(剛) 2008/9/20
 『班女』 2006/9/2
 『藤』 2006/9/9
 『船弁慶』 2006/9/23
ま行
 『松風』 2006/8/19
 『松虫』 2006/9/2
 『通盛』 2006/7/15
 『求塚』 2006/9/16
 『紅葉狩』 2006/9/9 2008/9/20
や行
 『屋島』 2009/9/12
 『山姥』 2006/8/19
 『夕顔』 2009/9/12
 『楊貴妃』 2006/8/27
 『夜討曾我』 2009/7/12(十番斬)(TV) 2009/11/7(大藤内)
 『頼政』 2006/7/22
 『弱法師』 2006/8/19
ら行
 『雷電』 2006/8/27
  
タグ:お能

能 『夜討曾我 大藤内』

夜討曾我 十番斬』を今年の7/12にNHKのTV放送で観まして、
『夜討曾我』を観るのは2度目、ライブでは初めてです。

あらすじは、TV放送の時の方で。


同じ観世流の『夜討曾我』だったのですが、
『十番斬』と『大藤内』で、かなり違いがありました。


前場はあまり変わらず、
(多分です、盛り上がりがない場面で、
 あいにくディーテルの記憶がありません(爆))
曾我兄弟と従者二人の問答。

曾我兄弟: 形見を母に届けて!
 ↓
従者二人: 仇討ちの供をさせて!
 ↓
曾: そしたら誰が形見を届ける?
 ↓
従: お供ができないならいっそ刺し違えて‥
 ↓
曾: まぁ待て待て\(-_-;;
 ↓
従: 泣く泣く納得(T_T)


『夜討曾我』の前場は長いです。

大変なことをがんばってこえると、
後でいいことあるよ♪という学びの場です(笑)




間狂言からは『十番斬』と『大藤内』でけっこう違ってまして、
『大藤内』での大藤内はただのビビリで
ビッグマウスではありませんでした(笑)

太刀を持ってきたつもりが尺八と取り違えてたり、
肩を切られていると言われれば、
切れてないのに痛くなってしまったり、
曾我兄弟が大藤内の命を狙ってると
脅かされればもうどーにもこーにも(笑)



『大藤内』の後場は、離れてしまった十郎の身を案じて
五郎が十郎の名を呼ぶところから始まりました。

あの、血飛沫が飛び散る大活劇シーンがないとなると
ちょっとがっかり。

ですが、十郎の活躍や、ゴージャスな10人の追っ手、
十郎と新田四郎との戦いのシーンがないことで、
かえって五郎の存在が引き立った気もします。

なんせ、『夜討曾我』の前場では、長兄である十郎が
椅子に座ってるし、よくしゃべるし、
後場も、『十番斬』は、兄弟が同様に活躍した後、
十郎と新田四郎との戦いが始まるので、
その辺りまで、十郎が主役のようでした。

『十番斬』は、よく観る京都観世の演者さん達が演じられてて
演者さんのお顔を存じ上げていたので、
配役的にずっと謎だったくらい(笑)


『曾我物語』を知っていたら、
『大藤内』でメインのシーンを観るだけで
OKなのかもしれませんね。

無教養で、『曾我物語』を知らない私は、
『十番斬』でも、『曾我物語』のストーリーが
端折られてしまっているせいか納得がいかなかったので、
『十番斬』を知らぬまま『大藤内』を観ていたら、
一体どうなっていたことやら(笑)



さて、『大藤内』の後場ですが、
十郎の死を知り、死ぬときは一緒の場所と
思っていた兄弟が散り散りに‥という五郎の悲しみの吐露の後、
御所五郎丸が、薄絹を被って待ち伏せします。

薄絹の主を怪しみながらも見送る五郎。

『十番斬』での薄絹の色が思い出せないのですが、
今回、真っ白な美しい薄絹で、
最初は、色味がある物を使った方が、
女に化けてる感が出ていいような気がして
違和感を感じたのですが、
観ているうちに、真っ白な潔さもよく感じました。


終いには力も運も尽き果てて、御所五郎丸たちに
取り押さえられ、生け捕られてしまう五郎。

『十番斬』では、がーーーーーっと押されて
床の上を滑り、摩擦で踵が熱そ〜という感じでしたが、
今回は、押されながらも、
ちょっとちょこまか歩いていらっしゃいました。

御所五郎丸の策を疑いながらも見破れなかったところが
力も運も尽きてしまった『夜討曾我』の五郎のキモで、
太刀を取り落としたり投げられたりしてしまう前に、
そこで五郎はもはや観念したんじゃないかな〜と思います。

ちょこまか歩いてると、
ジタバタあがいているようにみえます。

踵は大変そうですが、がーーーーーっと押される方が
五郎の心境や無常観が伝わってくる気がします。



京都や西日本での観能が多く、
関東での観能は愛宕山薪能に続き2回目、
能楽堂内での観能は初めてでした。

何度も観ている観世流のお能でも、
西と東でいろいろ違い、
舞台の始まり方、お調べ、準備、舞台、終わり方、
全てに違和感が付きまといまくりで、
めっちゃアウェーを感じました(笑)


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能 『夜討曾我 大藤内』
日時 2009年11月7日(土)14:00〜
場所 横浜能楽堂 第57回横浜能
シテ/田邉哲久、ツレ/岡本房雄、前ツレ/酒井純一郎、杉崎次郎、
アイ/野村小三郎、奥津健太郎、後ツレ/岡庭祥大、坂井音隆、
立衆/金子聡哉、新江和人、笛/槻宅聡、小鼓/幸信吾、
大鼓/國川純、後見/観世恭秀、寺井栄、地謡/高橋弘、高梨良一、
小川博久、松本尚之、下平克宏、勝海登、小檜山浩ニ、木月宣行
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狂言 『隠狸』

太郎冠者が狸を捕るのがうまいという噂を聞いた主人は、
太郎冠者にその噂がほんとうなのか尋ねます。

太郎冠者は、噂通り狸を捕るし、
しかも昨日、まさに狸を捕ってきているのですが、
狸なんて捕ったことがないと主人に嘘をつきます。

主人は、太郎冠者の狸をあてにして、
狸汁をふるまおうと客を招く手配をしてしまったので、
太郎冠者に、市に行って狸を買ってくるよう命じます。

太郎冠者は、ちょうど捕った狸を市で売ろうとしていたので、
市に行き、狸を売ろうとします。

一方の主人は、太郎冠者が狸を捕らないと言ったことを
信じておらず、市に行って様子をみることにします。

そうして、太郎冠者が狸を売ろう声を掛けてしまったのが、
まさに太郎冠者の主人!(笑)

太郎冠者は、狸を売ろうとしているのではなく
売ろうとしている狸があるなら買おうとしていたのだ、
などと苦し紛れにごまかし、狸を自分の背後に隠します。

酒を飲ませれば太郎冠者が口を割るだろうと、
主人は太郎冠者に酒を振舞い、
舞を舞わせて狸をみつけようとします。

最初はうまく狸を隠していた太郎冠者ですが、
酒がすすむにつれて注意がゆるみ、
隙をみて主人が、太郎冠者から狸を取ってしまいます。

太郎冠者に狸をつきつける主人。

もはや言い逃れのできない太郎冠者は
あわてて逃げていきます(笑)



『隠狸』は、和泉流にしかない曲なのだそうです。

狸の作り物が、茶色一色の布で作られた
テディベアばりの人形で、めっちゃ可愛かったです♪

なぜ太郎冠者が狸を捕ることを隠したのか
わからなかったのですが、
捕った狸を市で売ればお金になるけど、
主人に取り上げられちゃったらお金にならないですもんね‥
後になって合点がいきました(^_^;;



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狂言 『隠狸』
日時 2009年11月7日(土)14:00〜
場所 横浜能楽堂 第57回横浜能
シテ/三宅右近、アド/三宅右矩、後見/三宅近成
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タグ:狂言 隠狸

横浜能楽堂

横浜能楽堂は、交通案内をみると
JR桜木町駅から徒歩15分となっていますが、
地図で見る限りではそんなにかからなそう‥と、
ナメてましたら、これがもう!

能楽堂までものすごい上り坂でして(笑)

日ごろの運動不足がたたって、
しっかり15分かかったと思います(苦笑)


ようやく到着した(笑)横浜能楽堂は、
130年余りの歴史を誇る
現存で関東最古の能舞台でした。

横浜能楽堂のWebサイトから引用させていただきます。

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明治8年(1875年)に、東京・根岸の
旧加賀藩主前田斉泰(なりやす)邸に建てられ、
後に東京・染井の松平頼寿(よりなが)邸に移築されて
昭和40年まで広く利用されていた関東地方現存最古の舞台で、
全国的に見ても8番目に古く、建築史上、能楽史上貴重なものです。
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130年の年月を感じさせない、
すっきりとした能舞台です。

横浜能楽堂能舞台/正面横浜能楽堂能舞台/斜め


松の絵が控えめでかわいいです♪

横浜能楽堂能舞台の松の絵
タグ:横浜能楽堂

第57回 横浜能

横浜能楽堂で「第57回 横浜能」を観て来ました。

パンフレットによると、

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「横浜能」は、昭和28年に第一回が開催されて以来、
半世紀にわたり市内の能楽愛好団体である
横浜能楽連盟が中心になって開催してきた催しです。
横浜ゆかりの能楽師、曲目でお送りします。
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なのだそうです。

今回は、これまたパンフによると、
シテとワキを務められた能楽師さんが
横浜生まれ、横浜市在住となっています。



新聞に「横浜能」の抽選の案内があり、
応募して、招待券を頂戴いたしました。

抽選していただいた方、選んでいただきまして
どうもありがとうございます<(_ _)>

今年は横浜開港150年の記念の年。

Y150は行きそびれましたが(^_^;;
「横浜能」で、記念の年に横浜の地を踏めました。


演目は、狂言『隠狸』と能『夜討曾我 大藤内』です。

『夜討曾我』は、今年の7/12にNHKで
テレビ放送されたものを観て、
ライブで観たいな〜と思っていた曲。

こんなに早くライブで観れて嬉しかったです♪
タグ:お能 横浜能

2009年09月14日

能 『海士 懐中之舞』

観るのは2回目です。

ストーリーは1回目参照のことということで(→海士1回目

今回は、2回目でストーリーや展開がわかっていたせいか、
どっぷりと入り込みました。

胸をかき切るところでは鼻の奥につーんと刺激が走り、
涙が出かけました。

意外だったのは、後場の龍女の舞のところ。

謡がなく、小鼓・大鼓・太鼓が一緒になって
インテンポから少しずつペースアップしつつ
ずっとリズムを刻み続けるのをバックに舞うという
激しい印象的なシーンがあるのですが、
胸が熱くなって涙がポロポロでちゃいました。





今回気になったのは、絵的な矛盾というか、
自分的に情報が欠けてるところというか。。



まずは海士が取りにいった面向不背の珠です。

面向不背の珠とは、
釈迦の像が必ず正面にみえる不思議な宝珠らしいのですが、
いったいどんなものか見てみたいと思い、探してみたところ、
今は奈良の興福寺に収められているそうなのですが、
興福寺のWebサイトで紹介されている珠系のものは、
水晶念珠玉というもので、これは面向不背の珠ではなさそうです。

てかこのWebサイトには、
興福寺にある「国宝」「重要文化財」の一覧しかないので、
面向不背の珠が「国宝」や「重要文化財」でなかったら
一覧表には載ってないのでしょうが。

で、もう少しネットを探してみたら、
なんでも興福寺の金堂の釈迦如来の眉間にあるのが
面向不背の珠という説もあり。

興福寺には釈迦如来が2体あり、
金堂にある釈迦如来となると、
中金堂にある「国宝」で「重要文化財」の
木造釈迦如来坐像

国宝館にあるこれまた「国宝」で「重要文化財」の
木造釈迦如来坐像も、
釈迦如来ということでターゲットになりそうですが、
どちらも眉間には白ごうがあるばかりで、
これが面向不背の珠なのでしょうか。。

にしても、眉間に埋め込まれてしまってたら、
せっかくの「釈迦の像が必ず正面にみえる不思議な宝珠」が
楽しめませんね。

ということで残念ながら、今回の安易なリサーチでは
面向不背の珠は発見できませんでした、残念。

面向不背の珠が詳しくわかると、
より一層深みに入れそうなんですけどねぇ。。



気になったことの2つ目。

『海士』では、海士が乳の下をかき切って
体内に面向不背の珠をこめます。

ここ、気になりました。

海士は、珠を体内にこめたあとに命綱を引き、
体を引き上げてもらいます。

すごいシーンです。
傷口から流れ出る血を水の中に漂わせながら、
体が引き上げられる海士が目の前に浮かびます。

命綱は、腰に結んであるんでしょうかねぇ。
でも、でもです!

命綱を引っ張ってもらうように手でつかんでましたね。
すると、体は直立します。

そんな時に傷口が胸の下にあると、珠がこぼれでてしまいそう。。

こんなこと思うのは私だけかもしれませんけど(爆)



面向不背の珠の詳細はわからずじまいですが、
釈迦の像が見えるということは、
ある程度のサイズがありそうです。

鎌で切って珠を体内にいれるとすると、
手足では珠を入れるのは無理だし、
体幹部で、肋骨がない部分じゃないと入らなそう。

腹部は切ると腹圧で内臓が飛び出してきて
珠を入れるどころではなさそうだし、
あとは、みぞおちあたりを切って胃に入れるか、
胸の中ということになるのでしょうか。


母の愛ということで、胸を切ったほうが
女性性が伝わりそうですが、
胃を切って入れておく方が、
珠を取り返すのは確実な気がしました。

『懐中之舞』ならぬ『胃中之舞』‥詩的にアウトですね(笑)

てかこれからの人生で、命をかけて
海中に珠を取りに行くような機会はまずないので
こんなことを考える必要はないのですが(苦笑)


あとは、珠のサイズにもよりますが、
珠は口に入れて、竜宮対策には手やら足やらを切って
出血させておけば、命は助かるかも‥‥いや、だから
こんなことを考える必要はないのですが(苦笑)


‥『海士』を観ながらこんなことを考えてるなんて、
私ってやっぱり風流や風情に欠けてますね(笑)



それとあとひとつ。

『海士』では、とってきた珠を淡海公がはじめて見た島を
新珠島と名づけたという台詞もあるのですが、
房前の地図を見てみると、近くには島がありません。。(謎

淡海公はどこで珠をみたんでしょうねぇ。。




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能 『海士 懐中之舞』
日時 2009年9月12日(土)11:00〜
場所 京都観世会館 井上同門定期能楽会九月公演
シテ/橋本雅夫、ワキ/江崎金治郎、ツレ/橋本淑香、アイ/茂山宗彦、
笛/光田洋一、小鼓/吉阪一郎、大鼓/河村大、太鼓/前川光長
後見/浦部好弘、吉田篤史、地謡/井上裕久、吉田潔司、勝部延和、
寺澤忠芳、吉浪壽晃、佐伯紀久子、児玉哲城、吉川喜市
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タグ:海士

能 『夕顔』

夕顔がでてくる『半蔀』と『夕顔』を間違えてて、
前は置物があったのに今回はないわ〜と思いながらみてました(爆)

夕顔ネタの『半蔀』は、これまで3回みているのですが、
毎回入り込むことができぬまま撃沈してきています。
(この件について追記しました。本文下記参照)

ストーリー性がないと入りにくいのかしらと思い、
今回は、現代語訳源氏物語の「夕顔」の章を
事前に本屋で立ち読みして、ストーリーを頭に仕込んでみました。


夕顔の章は、源氏物語の第4帖です。

第1帖「桐壺」で光源氏が誕生し、
第2帖「帚木」で妻の葵上のお兄さんで親友の頭の中将たちとの
女性の品定め談義で夕顔の噂を聞いたり、空蝉とであったり。
第3帖「空蝉」で空蝉とすれ違いした光源氏が
第4帖「夕顔」で、噂の夕顔と遭遇します。


その頃の光源氏は、六条御息所と恋仲になってるのですが、
誇り高くて堅っくるしい御息所にちょっと疲れ気味の日々。

ある日、乳母のお見舞いに行くと、
夕顔が咲いている粗末な隣家があり、
そこの家の女から、「あなたはひょっとして光源氏なんじゃね?」と
歌を送られます。これが噂の夕顔なのですが、
彼女の正体はまだわかりません。

空蝉や御息所とは違い、癒し系の夕顔。
恋愛疲れの光源氏の心をしっかり射止め、
光源氏は夕顔の元に通いまくるようになります。


女は教養より癒し!?
どっちの素養もない私は
新境地を切り開かねばならないかも(笑)


さてさてある日、光源氏は、夕顔を近くの廃墟につれだし、
のんびりすごすことにします。

その夜半に、美しくも怪しい女性が枕元に現れ、
夕顔は急死、光源氏も重い病にかかってしまいます。

六条御息所、葵上だけではなく夕顔もだったんですね。。

病が癒えた光源氏は、夕顔の侍女の右近に夕顔の正体を聞くと、
夕顔は三位の中将の家に生まれ、
大切におっとりと育てられたのですが、両親が早くに他界。

その後、頭の中将に見初められ、女の子をもうけるのですが、
夕顔の存在が中将の奥さんにバレてしまい、
ビビった夕顔は、中将の前から姿をくらまし、
夕顔の咲く粗末な家に仮住まいしていたのでした‥というお話。

この後、第5帖「若紫」で光源氏は、のちの紫の上に出会います。


気弱でビビリな夕顔が、よくまぁ光源氏に
歌を送ったもんだわ〜と思ったのですが、
思えば侍女の右近の策略かと。

『右近』という曲なら、私も楽勝で入り込めそうなんですが(笑)



能『夕顔』の内容は『半蔀』にそっくりでして、
僧が五条辺りにくると、ある家から女が歌を吟ずる声がし、
その女に所の名を尋ねると、ここは「源氏物語」の某の院で、
もとは融の大臣ゆかりの河原院だと言い、
ここでの光源氏と夕顔のはかない恋の顛末を語ります。

後場では夕顔の霊が現れ、舞いを舞い、僧の回向で成仏し、
明け方の雲の中に消えていきます。


ということで準備は万端、いざ『夕顔』‥‥やっぱ入れねorz

それで謡のない仕舞だけが延々と続く曲には
入れないのかと思ったのですが、
『夕顔』の後にみた『海士』で、
謡なし仕舞にずっぽり入り込めたので、
やはり私は『夕顔』にシンクロできないらしく。。がっかり〜(>_<)

くっそー、夕顔めー、と、
御息所とは別の意味で恨めしいです(笑)

光源氏ばりに、夕顔の仕舞に「癒し」を感じられるようになれれば
いいのかしら。。たぶんそれは私には無理っ(>_<)(笑)

夕顔系のお能の攻略法探求はまだまだ続きます。。





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能 『夕顔』
日時 2009年9月12日(土)11:00〜
場所 京都観世会館 井上同門定期能楽会九月公演
シテ/浦部好弘、ワキ/清水利宣、アイ/丸石やすし、
笛/帆足正規、小鼓/林光壽、大鼓/井林清一、
後見/橋本擴三郎、橋本光史、地謡/宮田宏之、吉浪壽晃、寺澤忠芳、
佐伯紀久子、浦部幸裕、浅井通昭、児玉哲城、橋本ハル子
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■追記


これまでに、夕顔が出ている曲は、
『半蔀』を3回、『夕顔』を1回観ていますが、
いずれの時も曲に入り込めずあえなく玉砕。

毎回、かすかにはかなさとかを感じつつも、
ぶっちゃけ「何が言いたいのかさっぱりわかんね」(笑)


これらの夕顔系の曲に、
入り口はないものかと探していたのですが、
コペルニクス的発想の転換がおこりまして、
ようやく入り口となりそうな戦略がみつかりました。

名づけて「これでいいのだ作戦」(ニヤリ)



源氏物語に出てくる女性達には、
葵上、六条御息所、朧月夜、明石の君など、
個性や主張がくっきりしている女性と、
藤壺、夕顔、女三の宮、浮船など、
個性や主張のあいまいな女性がいます。


あいまい系な女三の宮が光源氏を振り切って
出家しちゃったりして
内に秘めていた主張を発揮するあたり、
裏をかかれて楽しめたりします。

紫の上は、くっきりとあいまいのちょうど中庸で、
これが理想というものなのかもしれません。


この くっきり ⇔ あいまい の相対性が、
源氏物語の幅を広げているのではないかと思います。


ところで、「個性や主張があいまい」というのは、
まさに私が夕顔系のお能で感じることで、
つかみ所がなく、毎回あえなく玉砕していたのですが、
実は夕顔系のお能は、まさに「個性や主張があいまい」
ということを表現していたのかも!?

夕顔系のお能に込められていたこのメッセージが、
伝わるべくして伝わっていて、
感じるままに素直に受け取ればよかったものを、
他のメッセージ性の強い曲と同じように
下手に解釈しようとしていたのが敗因だったのかな、と。

『夕顔』は、これでいいのだ。11:3=B

ミッション完遂♪(笑)



とまぁ強引なコジツケで、
なんとなくモヤモヤは晴れましたが、
こうなると、夕顔系のお能があるからこそ、
お能の幅が広がり、だからこそこれからも
私は夕顔系の曲を楽しめないってことですね(苦笑)


いや待てよ、私、まだ間違ってる気もする。。

私のアンチョコ本「能楽ハンドブック」で、
気になっているキーワードがあるんです。

私のあいまい感と関係がありそうな「幽玄」です。

「幽玄」って何!? 幽霊のクロウト!?(笑)

調べてみると、ぜんぜん意味不明です。

Yahoo!百科事典の「幽玄
Wikipediaの「幽玄

「微妙難測(みみょうにしてはかりがたし)」by智
「詞に現れぬ余情、姿に見えぬ景気なるべし」by鴨長明
「幽玄というものは心にありて詞にいはれぬものなり」by心敬

ワインのソムリエと、
『星の王子様』の「大切なものは目に見えない」、
というのを連想しました。

なんだかすごく大切なものな気がします。

視覚的なモノに反応しやすい私には未開拓の分野です。

夕顔とは和解できてきたけど、新たな課題が発生(笑)
タグ: 夕顔

狂言 『棒縛り』

留守にすると、従者の太郎冠者・次郎冠者が
お酒を盗んで飲んでしまうので困った主人が策を弄します。

まずは太郎冠者から次郎冠者が棒を使うことを聞いたので、
次郎冠者に棒を使って見せてもらいながら、
太郎冠者と組んで、次郎冠者を棒に縛り付けてしまいます。

物干し竿にTシャツを両腕を通して干した感じとでもいいましょうか、
首の後ろを通して真横に肩においた棒に両腕をかけ、
その両手首を棒に縛った状態。

さらに太郎冠者にも縄をかけて後ろ手に縛ってしまい、
これで主人もお酒を盗まれる心配なく外出できます。


ところがそうやすやすとあきらめる二人ではありません。

次郎冠者は、自分の手首から先が自由になることを発見し、
棒に縛られたまま、なんとか酒蔵の扉をあけ、
酒の封をあけ、お酒をくみ出します。

でも、飲むことができず、やむなく太郎冠者に飲ませてあげます。

一方の太郎冠者も、自分の手首から先が自由なことを見つけ、
次郎冠者に酒を酌んできてもらい、
後ろ向きに器を受け取って次郎冠者に飲ませてあげます。

これで二人ともお酒が飲めることに♪

一方の主人、縛ったとはいえ、どうも信用ならず、
家に帰ってみると、二人はうまいこと酒を飲んでしまってます。

酔っていて主人が戻ったことに気付かぬ二人。
酒の器の中を覗き込むと、後ろから覗き込んでいる主人の顔が
お酒に映っているのですが、それは主人の執心かと思います。

そこで、お酒の容器の方を覗き込んでみると、
そこにも後ろから覗き込む主人の顔が映っています。

二人はよっぽど主人が執心なんだと思います。

が、ようやく主人の帰宅に気付き、縛られたまま、
酔いに任せてまずは主人を打ちやり、
それからあわてて逃げ出していきます(笑)



注)太郎冠者と次郎冠者が逆かもしれません。。



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狂言 『棒縛り』
日時 2009年9月12日(土)11:00〜
場所 京都観世会館 井上同門定期能楽会九月公演
主人/茂山逸平、太郎冠者/茂山宗彦、次郎冠者/茂山七五三、
後見/丸石やすし
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タグ:狂言 棒縛り

能 『屋島』

私の観能のアンチョコ、『能楽ハンドブック』では、
曲名が『八島(屋島)』となってます。

Wikipediaで「八島」をみてみると、
「日本の呼称(雅称)の一つ。大八洲国、略で大八洲とも呼ばれる。
 『古事記』では、本州・九州・四国・淡路・壱岐・対馬・隠岐・佐渡などの
 「八つの島」の総称とされている。
 しかし、日本神話においては八は聖数とされ、また漠然と数が大きいことを
 示すことにも用いられた。よって本来の意味は、「多くの島からなる国」である。」
とあります。

四国の屋島の辺りを地図でみてみると、
小さな島がたくさんあるので、屋島で八島‥親父ギャクなの!?(笑)



都の僧が四国屋島の浦に着き、宿を探していると、
無人の塩屋があったので、塩屋の主人の帰りをまっていると、
漁翁と若い漁夫があらわれます。

僧が漁翁に宿を乞うと、あまりに見苦しいからと
断られてしまうのですが、僧が都から来ていることを知ると、
なぜか漁翁は懐かしんで涙を流します。

そして、漁翁は源平合戦の有様を詳しく語ります。

あまりに詳しいので、僧が漁翁の名を尋ねると、
漁翁は義経の霊であることをほのめかして姿を消します。



間狂言で、塩屋の実の主人が見回りに来てこの話を聞き、
しばらくここに留まって、義経の亡霊の
様子をみてはどうかと僧にすすめます。

‥てか漁翁、自分の物ではない塩屋を見苦しいって‥(笑)



後場では、甲冑姿の義経が現れ、
屋島の合戦で不覚にも弓を取り落とし、
敵の船の近くまで流れていってしまったのを
末代までの名誉のために、
命を賭して取りにいった様などを語ります。

やがて夜が明け、僧の夢が覚め、
義経の姿も消えます。



前場が非常ぉ〜〜〜に長いです。

どうせ源平合戦の話を聞くのなら、
前場の漁師のお爺さんからではなく、
後場の凛々しい義経さんからじっくり聞きたいです(笑)



『屋島』『田村』『箙』が三勝修羅という
勝ち戦を扱った修羅物なのだそうです。

私はまだ、『箙』を見れていません。




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能 『屋島』
日時 2009年9月12日(土)11:00〜
場所 京都観世会館 井上同門定期能楽会九月公演
シテ/吉田篤史、ワキ/小林努、有松遼一、岡充、ツレ/浅井通昭、
アイ/茂山逸平、笛/森田保美、小鼓/曽和尚靖、大鼓/谷口有辞、
後見/井上裕久、橋本雅夫、地謡/吉田潔司、橋本擴三郎、宮田宏之、
勝部延和、橋本光史、浦部幸裕、吉川喜市、橋本ハル子
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タグ: 屋島

井上同門定期能楽会九月公演

久々の京都で久々に観能してきました。

井上同門定期能楽会九月公演で、
能『屋島』『夕顔』『海士』と狂言『棒縛り』です。


11時から17時頃までとのことだったので、
開演前にブランチをがっつり。

休憩時間は15分が2回あったのですが、
これじゃご飯は食べられません。

でもブランチがっつりで夕方までもったので、
10時頃に開演して、途中の20分休憩で
いそいで食事をかっこむパターンよりも
お腹の都合的にはいいかもしれません。

とまぁなにはともあれ花より団子です(笑)
タグ:能楽 京都
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