『夜討曽我 十番斬』をテレビで見ました。
テレビだと、環境や雰囲気的に
お能に入り込めないかな〜と思っていましたが、
意外といけちゃいまして(笑)、
血が飛び散り、首が転がり、涙もでちゃったので、
飛び入り参加でご紹介します。
時は源頼朝の頃、関東諸国の侍が集まって
富士の裾野で狩が行われました。
ここに参加していた曾我十郎祐成・五郎時致兄弟。
この二人は、催しに乗じて、父の仇討ちを画策しています。
前場では、仇討ちで命を落とすことを覚悟した曾我兄弟が、
従者の団三郎・鬼王兄弟に母への形見を託します。
この従者兄弟は任侠肌で、仇討ちにお供するために
奉公してきたってのに、形見を持って帰れとの主の命令に、
行くことも帰ることもままならず、
ならば兄弟で刺し違えて死のう‥なんてことになりますが、
曾我兄弟の説得に応じて、
泣く泣く形見の手紙とお守りを受け取ります。
その後、仇討ちはあっけなく完遂。
その仇討ちの様子は、間狂言で、
仇討ちに立ち会ってしまった臆病でビッグマウスな大藤内と
見張り番とのコミカルなやり取りから知るのですが、
この場面はけっこう笑えます(笑)
そしてこの脱力感が、今後の悲惨な状況を
さらに引き立ててくれちゃいます。
さてさて後場。
仇討ちという凶行にでた曾我兄弟を取り押さえるべく、
追っ手達が次々に立ち向かってきますが、
兄弟はかなり凄腕らしく、
ばったばったと追っ手達を切り倒していきます。
あちこちに血が飛び散りまさに修羅場っ!!
(ってのは私の想像図(笑))
それと、追っ手役の演者さんたちの数があまりに多くて、
ゴージャスさにびっくりです(笑)
その戦いの最中、一人の追っ手を追って(あ、駄洒落にw)、
弟の五郎はその場を立ち去ります。
その時、兄の十郎に新田四郎が切り掛かり、
十郎は討ち取られ、首を落とされてしまいます。
首が落ちる様は、被っていた烏帽子を取ることで
表現されるのですが、私の想像の中では首がゴロリと(汗)
一方の弟五郎は離れた場所で奮闘していて、
戦いの最中、兄を案じ、名前を呼ぶのですが、
返事がありません。
それで五郎は、兄がすでに討たれてしまったことを知り、
「春の花盛りに‥」とかなんとか語りだします。
おいおい、敵を目の前にしてそんな悠長なことを‥と思ってると、
死ぬときは同じ場所でと思いながら
離れた場所で散り散りに死んでいく自分達兄弟を
花が「散る」のにかけてたんですね‥悠長じゃなくて風流でした。
そこで涙がポロ(T_T)
その後がまたね。。
五郎はマジで凄腕らしく、誰も五郎を止められません。
そこで御所五郎丸が一計を策し、
女物の薄絹をかぶって待ち伏せして、
ついに五郎を取り押さえ、五郎は縄をかけられ、
将軍の前に引っ立てられてしまいます。
その時の五郎は、3人の追っ手に縄を掛けられ、
直立不動になっているのを、3人にがーーーーっと押されて
床の上を滑りながら舞台の上から橋掛かり、幕まで
一瞬で連れ去られるんです。
これで、五郎の思いをかみしめる間もなく
あっという間に舞台が終わってしまうので、
かえって五郎の無念がいつまでも心に残ります。
『夜討曾我』、なかなかオツです。
ところでこれが、能楽堂とかで観ていたのなら、
この後、附祝言があり、静かに演者さんたちが立ち去り、
家に帰るまでに、お茶して美味しいもの食べて。。と
いろいろと気分転換ができたでしょうが、
舞台が終わると同時に終わるテレビってなんだか残酷(-_-)
悲しい余韻のエンディングのお能をテレビで観るのは
体に悪いかもです(苦笑)
それにしてもなんでこんなに後味が悪いのでしょう。。
夕ご飯のアジフライでムネヤケかしら(笑)
じゃなくて、なんで曾我兄弟は討たれたのでしょう???
仇討ちって、私の認識では、
武士の世界ならではの公認事項という感じなのですが、
なぜに曾我兄弟は、仇討ち後に更に戦ったのでしょう?
追っ手を切りまくったら、さすがに公認ではなくなるでしょう。
ということで、『夜討曾我』のベースの
『
曾我物語』というのを調べてみたら、
親が殺されてしまったあと、弟五郎は、北条時政にお世話になり、
そんなこんなで時政が黒幕になっての曾我兄弟による
頼朝暗殺説も‥なんてことになってるらしいです。
そういうところが端折られてるので、
納得がいかずムネヤケに。。いや、アジフライ2枚も食べたせいか(笑)
曾我兄弟の生い立ちを知ると、
なぜ弟がお兄さんと一緒の場所で死ねなかったことを
悲しんでいたのかがちょっぴりわかります。
『夜討曾我』、ぜひライブでもう一度みたいです。
NHKのサイトから演者の皆さんのお名前を
コピペさせていただきます。
(配役・敬称略)
【出演】片山清司, 浦田保浩, 味方健, 武田邦弘,
浦田保親, 河村晴道, 河村博重, 河村和晃, 梅田嘉宏,
深野貴彦, 松野浩行, 大江信行, 味方団, 大江広祐,
味方玄, 古橋正邦, 浦部幸裕, 浅井通昭, 福王和幸,
茂山七五三, 茂山正邦, 杉市和, 曽和尚靖, 山本哲也,
武田欣司, 小林慶三, 河村晴久, 青木道喜, 河村和重,
吉浪壽晃, 分林道治, 橋本光史, 田茂井廣道, 橋本忠樹,
河村和貴